〜その1 逃避〜

「う〜ん、ねむいよ〜」
「なら寝ろよ」
「だって、この課題明日までなんだもん……」
「だったら起きろ」
「なんだよぉ〜サタンの意地悪……」
「お前なぁ……起きて課題をやるか、諦めて寝るかのどっちかしかないだろう。
  言い訳ばっかりして逃げるな」

「ん……じゃあ、5分だけ……」
「ちゃんと起こしてやるから、安心して寝ろ」
「うん、ありがとう……」

 
そう言うと、あっという間に熟睡モードに入った。
  試しに少し小突いてみたが、起きる気配は全くない。


「……いい加減、諦めろ。逃がしてなんかやらねえから」

 熟睡しているのを確認してから告げる俺も、きっと何かから逃げている。




〜その2 夢〜
 
―― すまない、アルル……。約束を守ってやれそうにない… ――
 
わかってる。これは夢。

「おとうさん! 行かないで! 言っちゃやだ! 帰ってきて!」
 
いくら叫んでも、結末は変わらない。
あの日からずっと… だってこれは夢だから。
  それでもボクはありったけの声で叫んで、精一杯手をかざす。
  でも、結果はいつもと同じ… 
ここでボクは目を覚ます。

「…どした?」
「なんでもない」
「まぁた、いつもの夢か?」
「…うん。」


「…あのさ。所詮夢の話なんだからさ、深く考えるなよ。
 むしろ夢で良かったじゃん」
「でも、あれは本当の事だもん! お父さんは…」

お父さんの夢を簡単に『良かった』なんて思えない。
あの日から十二年。もう割り切らなきゃいけないって、頭ではわかってる。
  だけど諦めたら……認めてしまったら、お父さんの帰る場所がなくなっちゃう。
  だから……だからボクは……

「わーった、わーった、俺が悪かった。だからもう一度寝ろって」

  そう差し伸べられる腕は暖かくて 不思議と心が軽くなるような気がした。
  それがいつもとっても心地よくて……ボクはもう一度夢の中へと入っていく。


 二度目の夢はもう怖くない。


〜その3 誘惑〜
 
もし。
もしもだよ。
「大好き」って言ってキスしたら、どうなるのかな?

 

押し倒されて、名実ともにキミのお妃になっちゃうのかな?
  それとも以外に顔を真っ赤にして動揺しちゃうとか?
 
「ん? どうしたアルル?」
「なんでもないよ」
「やっぱり、俺様の美貌に惚れなおしたのか?」
「んな訳ないでしょ」

 本当はそうだけどね。
 この「遊び」は一回しかできない。だからタイミングが肝心。
  だけど

  ……そろそろ限界かもしれない。



――――― あとがき ―――――
はじめまして。おなみと言います
ぷよ関係では初めて書いたSSなんですが…いろんな意味でヤバイかも(笑)
とりあえず、深読み推奨です(オイコラ)

基本はラブよりドツキ漫才が好物なんですが、ギャグかけない人間なんですわ(^^;


その2は「現在完了。」があったのを知っていたんですが、やっぱり書いてみたかったので。
アルルの暗い面っていったら、これは外せませんし。差別化のためにちょっと意味深にしてみました(ちょっとか?)


おなみ アイマスの自作MADのブログですが、ぷよ・魔導の話もかなりしてます)


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