ぷよぷよテトリス2プレイ感想
当時のぷらいべったーに書いたものをせっかくなので書き残しておきます。後半辛口気味です。
どうも、かれこれ四半世紀くらいぷよぷよ初心者をやってる者です。
Switch版ぷよテト2のアドベンチャーをEXステージまで触ってきた感想です。ポジティブネガティブ入り乱れています。ネタバレあります。
恣意的な解釈もあります。言うまでもありませんが個人の感想です。
■総評
パズルゲーム初心者にはあまりオススメできないゲームだな…と思いました。
それなりにぷよとテトリスが得意か、自分の実力不足を納得して妥協できる精神がないとキツイと思います。
そこさえ大丈夫なら買っていいと思います!推しキャラがいるなら尚のこと。対人戦も楽しいです。あいさつスタンプが捗る。
■システム面
ここは正直ネガティブな意見しかないです。(下手くその戯言なんですけど)
アドベンチャー(ストーリーモード)を普通にやろうと思っても、COMの方が明らかに格上なのがわかってしまう感じだとか対戦ルールが選べない不自由さだとか難易度調整システムの粗さだとかで
ゲームを遊んでるというよりは「ゲームに遊ばれてる」と感じてしまいました。おたすけクリア機能を入れておけば初心者には優しいと思ったのでしょうか、うーんなんだか冷たい。
難易度調整機能も(きちんと検証したわけではないですけど)何段階もの細かい設定がされてるわけではなさそうですし、聞いた話では調整はアドベンチャーモードを出ることで反映する?とか。
せ、説明が足りない…!
スキルバトルのパーティ編成もいちいちオプションに戻るのめんどくさい…めんどくさくない?
基本的には1と同じでかなりストイックなゲームだと思います。
■ストーリー面
総勢28キャラが満遍なく登場していてボリューム的にもちょうどよく、前作(ぷよテト1)よりバランスが良くなったと思います(前作が偏りすぎてたとも言う)。
前作も宇宙を舞台にした最終的にはいい話な感じでしたが、今回は更に騒動の舞台が上位空間にも発展し壮大になりつつも最終的には友情とか家族愛(?)的ないい話で終わる感じで、
傾向は同じですが上位互換と言える作品だなと思いました。
個人的にはシェウィがとても可愛かったです。ヤバイ。でもちゃんとシェルルもある。エライ。
ドラコちゃんとエスちゃんの絡みも可愛い。フェーリちゃんも可愛い。ティくんの困り顔が好き。
りんご様、ナチュラルにまぐろくんとティくんとエコロの3股を成立していてマジりんご様(語弊がある)。
スクエアスくんイケメンにしてヤンデレにしてショタ、欲張りセット!
話の大きなテーマとしては楽しさと正しさ、というものでしたが、個人的に地雷になりやすいテーマに「正義」がありまして、内心戦々恐々してたんですが
今回は正義というより「公正さ」にピントが合ったキャラだったので案外大丈夫でした。ジャスティスじゃなくてフェアの方ね。なるなる。
そう、それで、今作はシナリオのボリュームもあった分、今までふわっとしていたセガぷよ世界の哲学が割と現れた気がしますので、
おかげで私が違和感を持っていた部分もだいぶ見えてきた感じもあります。
(以下、やや辛口かつ憶測を多く含みます。)
今作をメタ的な視点で考察すると、現状のぷよシリーズが新キャラを登場させて新しい世界を旅させる形での新作を作ることの是非についての開発側からのアンサー
(それが正しいか正しくないかは誰にもわからないのだから楽しければいい)と受け取ることもできるかもしれません。
しかし、その割に疎遠になった世界の者たちとの記憶が消える?という前提がいつの間にかあったりして、記憶は失うけど会ったことは忘れないよ理論というか、
叙事は残らないけど叙情は残る理論というか。どうやらこれがセガさんの見出した時系列が厳密ではないシリーズモノに対する解のようです。
(ドラマCDvol.1のアルルの記憶と魔力が失われる話も同じ理論でしたね。)
まぁ、エモいですよね。便利だし。
しかしこの理論は一部のボス組の皆さんには通用してないようで、つまり力が強い人は記憶の風化が起きない?と見るべきでしょうか。
すると、ボス組とそれ以外の主人公組で見えてる世界がだいぶ違うということになり…ませんか?
今回の騒動はサタンさま、レムレス、エコロ、エックスらボス組がいち早く異変に気づき主人公たちを先導しています。
個人的にボス組は好きだし趣味には合うんですが、それはそれとして特に個人的にセガぷよ時空で良いなーと思ってるところに「サタンさまが世界を守る使命から解放されたところ」がありまして。
晩期コンパイル作品の特にセガサターン魔導や真魔導シリーズでは不安定な魔導世界の管理者としての重責がかかっていて騒動を起こすにも何か深?い理由が必要だったりしたのが
セガ作品では必要なくなってまた楽しそうに暴れられるようになって、アルルたちと同じ目線で世界を見れるようになって、あーよかったなーと思ってたんですが、
今回またそういう先回りで時空を見張るようなことをしてるって聞いて…えぇ…なんで…という気持ちに…
(二次創作なら大好物だけど公式の特にぷよを銘打つ作品でやられると…ジワジワしんどい…です)
というわけでこの、記憶の風化現象についての懸念として、@ボス組とそれ以外のキャラの見えてる世界が違うことで今後のストーリーでも立ち回りの断絶が生まれるかもしれないこと、
そしてA誰の何の記憶が風化していて何が風化していないのかということを読み手(プレーヤー)側が読み取らなくてはいけないというコストが発生するかもしれないこと が考えられます。
これは読み手を選ぶ作り方のような気がします、ので、これからもシリーズを追うためにはこのことを踏まえておいた方が怪我は少ない…かもしれません。
あとは個人的にB主人公たちに具体的な記憶が残らないというのはやっぱり好きじゃないです
(なんか夢オチみたいというか、どんな事件を乗り越えても記憶として蓄積しないなんて切ないを通り越して残酷な気がします…)。
このままじゃ真の主人公がボス組…というか実質サタンさまになっちゃうぞ…?(いやまぁ…私は得するからいいけど…)
以下、細かいツッコミ
●テト号クルーがテトリスを日常的にしているとかぷよ世界の住人がぷよ勝負してるのはわかるとして、
マールたち上位空間の人たちがなぜ有無を言わさずぷよとテトリスで遊ぶのかはよくわからなかったですね。
●アルルの「冒険者」という発言
アルルは基本的に「ダンジョン探索が好き」な「魔導師を目指す学生」であって、いわゆる「冒険者」という職業ではないわけで。
例えばハリー・ポッターは魔法使いだし色んなトラブルを解決するけど冒険者ではないですよね?あんな感じ。
アルルを本拠のない旅人のように書かれるのは更なる誤解の元かなと思いました。
●シェゾの言い間違いについて
(今更感があるかもしれませんが、なんか私の中で一定のラインを越えたので言及します。)
私の解釈のシェゾは「お前が欲しい」とか「お前の全てが欲しいだけだ」とか「お前の全てを俺にくれ」とかをそもそも言い間違いだとは思ってません。
結果的に相手や第三者に誤解を招く表現だったりあえて自分の顔がいいのをわかった上で相手の動揺を誘う意図でそう言うだけで、言うべきだった言葉が足りないわけではないです。
だから正直言い間違い常習キャラは解釈違いですし、いわんや「この悪癖を直したいと思っている」をやです。
どんどん私の知らない人になっていくな…と思って見ています。いやまぁ私の解釈なので、もとからそうだよと言われたらアッハイそうですかなんですけど。
●アルルの「そういう人を見てきた」発言
スクエアス氏に対して自分は過去の冒険で数々の困ったさんを見てきたから?的な諭すシーンがありましたが、これはどこらへんを指してるんでしょう?
自分の正義に固執して襲ってくる敵…といえば思い当たるのはぷよよんのドッペルアルルくらいでしょうか。しかしドッペルアルルとはあの後作品内で明確な和解をしていないはずので違和感。
わくぷよのドッペルシェゾ…も和解はできてないし。それこそ真魔導のハルマゲ?…詳しい方のご教示求む。
●エコロの「強いと認めた人の黒歴史をつつき回す」という性癖
しっくりくるような、え?キミそんな奴だったっけ?となるような…専門家の方のご意見を聞きたいです。
●考えすぎかもしれないけど
EXのエコロさんの「サーカスを作ったり遊園地を作ったり世界をもう一つ作ったり」(おそらくぷよよん、わくぷよ、真魔導年表を指していると思われる)を「黒歴史」呼ばわりされるのはちょっとモニョりましたね…悪意があってもなくても…や、ラスボスを飾るのがサタンさまなだけでも超優遇ですけどさ。
あとこれも行きすぎた邪推かもしれませんが、「過去のままがいい」という考えに対して「駄々をこねている子供」=「取るに足りない幼稚な意見、悪」のように表現するのも、
人様の作ったシリーズを預かるあなた方がそれを言うのかね…?と思わなくもないです。
近頃はゲームやアニメのリメイクブーム的な流れがありますが、過去のよさをきちんと最新の技術で再現しているものが高く評価されて、
かたやタイトルだけを借りて中身をすっかり変えたものには冷ややかな目が向けられていると思う今日この頃。
保守をするか革新をするかはその時の責任者たる人が決断をするわけで、その決断が正しかったかどうかは時間が経てば明らかになることだし、
場合によっては取り返しのつかない間違いでしたってこともあると思うんですが。なんて。
正しいこと(過去とのガチガチの整合性)よりも楽しいことが優先するという考え方はエンタテイメントとして概ね支持しますけど、
でも整合性を放棄されるのはヲタクとしてはちょっとだいぶ悲しい気もするし、そもそも楽しいことって正しいこと以上に多様な答えがあると思いますし…なんて。
上手くやって欲しいと願うばかりです。
余談ですがお口直しにスーファミオンラインのぷよ通を遊んだら驚くほどあっさりラスボスのマスクドが出せました。多分スーファミ版では初。とても嬉しい。
2020.12.19